香川シームレス株式会社 BLOG

ストッキング工場のブログ@香川シームレス㈱

女性も知らないストッキングの専門的な事から地域や社内の話題まで (ストッキング、タイツ、着圧ソックス、弾性ストッキング、製造、工場など)

縫製工程について

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少し前に編成工程の説明を簡単にしたので、次は縫製工程の説明を超簡単にします。

 

まず、弊社で作っている商品はストッキングやタイツ、靴下が多く、すべて基本的には、「丸編み」と呼ばれます。簡単に言うと筒状の生地を縫製して物を作ります。

 

ストッキングの場合、2本の筒状の生地を合わせて1足作ります。

股の部分を裁断して、2本を縫い合わせます。つま先の部分を縫製するために反転して縫ったあとに再度反転して戻します。

 

写真が無いので、言葉だけでわかりづらいですが、また写真を別途アップして説明します。

 

元々は、すべてミシンで手作業で縫っていましたが、機械化されて、

つま先を縫う為に反転して、縫って再度反転する機械トークローザー(TC)、

股を裁断して縫う機械ラインクローザー(LC)が誕生しました。

その後、TC、LCを合体させたPC(ペアクローザー)が開発され、マチも自動で縫製するGLCが開発されました。

 

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左右にPC,GLCが並んでいます。機械的に複雑なので、保全はなかなか大変です。

何とか頑張って生産中です。

 

 

数年前に本社工場のほとんどをLEDに変更しました。

以前より工場内が白くなっています。LEDの特徴なのか、影の部分は少し暗い所ができていますが、それでも以前よりは明るくなっていると思います。

空調も半分をGHPに変更して省エネと電気代削減を進めています。

 

電気代はここ数年は、再エネ賦課金が驚くほど上がっており、

いくら省エネしても再エネ賦課金分を何とか省エネできる程度でしたが、

今年はあまり上がっておらず、助かりました。

 

再エネ賦課金は太陽光発電など推進するために買い取り制度がありますが、

その費用の一部を使用者が負担しています。この制度はどうかと思います・・・。

そうでもしないとクリーンエネルギーの使用が進まなかったのかもしれませんが、

工場などで電気を使う産業、特に中小企業では非常に苦しい思いをしていると思います。

 

来年も再エネ賦課金が上がらないことを祈っています。

ガスも上がらないでほしいです。

燃料調整費もコロナの影響で需要が減った事などで下がっていましたが、

また少し上がってきています。上がらないでほしいです。

ガソリン代も。

また引き続き省エネ、効率化を図りコスト削減を進めていきたいと思っています。

 

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右側がPC、左側にTCが並んでいます。

 

また、数年前にTCメディカルという医療機器専用のトークローザーを導入しました。

 

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弾性ストッキングなど着圧の強い生地のつま先が自動で縫えるトークローザーです。

 

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わかりづらいですが、縫っている所です。

 

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手で縫うミシンの工程もありますが、写真を撮り忘れたので、また機会があればアップしたいです。

 

次回は土器川工場の説明をしたいと思います。

 

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先日の天気のいい日の飯野山

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先日、久しぶりに登った飯野山からの本社工場を撮影。真ん中に見える青い屋根が本社工場です。

 

 

一般医療機器の弾性ストッキングについて

f:id:k-seamless:20210227162451p:plain 一般医療機器の弾性ストッキングについて説明します。

簡単に記載するために

表現が微妙な所もありますので、こちらの内容は参考程度にとどめてください。

引用して何かの説明資料には不向きと思います。

 

一般医療機器とは薬機法(旧薬事法)で定められた医療機器の分類です。

医療機器は生命のリスクによって

高度管理医療機器管理医療機器、一般医療機器

と3つに分かれています。

 

・高度管理医療機器(人口呼吸器、ペースメーカーなど生命のリスクが高いもの)
管理医療機器MRI内視鏡など保守点検等厳しく行うような装置などで生命にリスクがある物)
・一般医療機器(生命のリスクがほとんど無いもの)

 

という事で一般医療機器は、生命のリスクが極めて低い装置等になります。

 

弾性ストッキングとは、一般医療機器の中に色々な装置、器具などがあり、分類の中の名称として定義されています。

なので、ハイソックスタイプでも、腕に付けるアームスリーブでも弾性ストッキングという名称になります。

 

類別名称:理学診療用器具

中分類名:理学療法用器械器具

一般的名称:弾性ストッキング

一般的名称定義:四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性ストッキング等(腕用の弾性スリーブも含む。)である。末梢から中枢に向かい漸減的に圧迫を加える機能を有する。

 

このように定義されています。

効果効能は上記にある通り、「四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進」です。

これをわかりやすく書くと

「むくみの軽減、予防、血行促進」となります。

 

本来は、リンパ浮腫の治療や下肢静脈瘤の治療、予防などに使われます。

 

特に上記の治療に用いる弾性ストッキングには強さ別に3つに分かれています。

強圧、中圧、弱圧。

こちらは、主にドイツ等外国からの規格で日本に入ってきています。

イメージとしては、中圧がメディックピエド位です。

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足首35hPa

という事は強圧はとてつもなく強い圧です。

弱圧が予防などに使うようなイメージだと思います。

 

上記の圧の分類はリンパ浮腫下肢静脈瘤の治療に用いる場合です。

 

薬局などで売っている有名メーカーの一般医療機器弾性ストッキングは

当然治療にも使えますが、主に、むくみのひどい人や足の疲れやすい人向けの商品です。

 

ここで少し小ネタですが、

強圧、中厚、弱圧とは薬機法では使えないので、

この表現は通常の消費者は見かけない分類だと思います。

前に書いたようにヨーロッパの方から来た分類だと思います。

薬機法でパッケージ等には「強い」「高い」「よく効く」などの表現はNGとなっております。

そこで薬などは「EX」「ゴールド」などと表現しているのだと思います。

 

 

◆一般医療機器の弾性ストッキングを製造するには?

こちらは少しわかりづらいのですが、

①医療機器製造業登録

第三種医療機器製造販売業許可

この2つが必要です。どちらも各都道府県に申請します。

①は生地を作る工場の登録が必要です。以前は「登録」ではなく、「許可」だったので、申請も非常に手間がかかっていました。しかし、「登録」になった事で少し手軽になったイメージですが、各都道府県の管理に従うため、場所によっていろいろと手順が違っているようです。

香川県の場合は、更新時に立ち入り検査がありました。

 

②製造販売許可

こちらは企画して販売する為、都道府県に許可を得る必要があります。

 

物を作るのはQMS省令に基づく管理が必要で、

企画販売するのは、GVP省令に基づき、企画や販売後の管理が必要となります。

以前は①製造許可だったので、各都道府県が製造所を管理していたのですが、

①製造所登録となった事で、県は管理せずに(県が許可していないと言う事)②製造販売元が管理する事になりました。

都道府県の負担が少し減ったというイメージです。

製造販売元は非常に責任が重いです。

 

という事で

パッケージには、「製造販売元」の記載が必須となっております。

 

香川シームレスは製造所登録、製造販売許可も取得しております。

ご質問等、ご遠慮なくお問い合わせをしてください。

 

2019年の記事です。

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今年の即売会も無事に終了しました!



コロナの影響で即売会ができないかと思っておりましたが、綾歌工場で何とか開催ができました。

 

ご来場していただいた方、出展していただいた協力会社の方、どうもありがとうございました。

 

来年は、またアイレックスで開催をしたいと思っています!

それまでに、コロナが落ち着いて欲しいです。

 

今年は、今までは出品していなかった着圧ソックス関係を待っていきましたが、非常に好評でした。来年は着圧タイツやレギンスも持っていきたいと思います。

 


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12月6日即売会は予定通り開催します!



12月6日(日)の即売会は予定どおり開催します。

 

ただいま頑張って準備中。

天気もいいので、時間のあるかたは、来場をよろしくお願い致します。

 

10時から14時の予定です。

 

会場が例年と違っていますので、ご注意ください。


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駐車場は少し狭いので、ご注意を、お願い致します。

 

 

即売会はやりますよー!

f:id:k-seamless:20210227162235p:plain 明日、即売会は予定どおりやりますよー!

朝は寒そうなので、昼頃から暖かくていいかもしれません。

できる限り暖かい格好で来てください。

場所はいつもと違います。

パンフレットで確認をお願いします。

 

コロナ対策で消毒や

マスク着用のご協力をお願いします!

 

場所に自信がないかたは、インスタに動画をあげています。参考にしてください↓

https://www.instagram.com/tv/CIDO7G8jw7f/?igshid=hws6tx7j4fym

 



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11月29日77と55

現在の編成工程では8割位の稼働となっております。コロナ禍で非常に厳しい中ですが、色々と対策をして何とか稼働させている状況となります。



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ドイツの医療用編機のメルツがある列です。

弾性ストッキングなど着圧商品を生産中です。


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国産コンピュータ編機、永田精機の機械もあります。この列には色々な編機が置いてあり、オペレーターは大変だと思います。

7機種、針数320~474、コンベ機、など置いています。

 


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編成のサイズ管理はこのチェトメ社のサイズ測定器も使っています。

慣れは必要ですが、一定の荷重でのストレッチ寸法を確認するので、人による誤差は少なくなります。

特にストッキング、タイツなどは生地が延びるので、この装置での測定の方が安定すると思います。

 

生地が短いものなど、人の手で測定する物もあります。

 

 

 

11月29日は

弊社、相談役の77歳、喜寿の誕生日でした。

会社は今年で55期です。


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紫のちゃんちゃんこと頭巾を着ると一気に老け込んで見えますが、まだまだ元気です。



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7+7=14本のローソク

 

次は80歳の傘寿です。

体に気をつけて過ごして欲しいです🎵

 

 

 

 

 

「着圧」のヒミツについて① 

◆着圧の呼び方?

最近は、タイツやストッキングで着圧という物が多くあります。

「着圧」と呼ぶのはストッキングやタイツなどが多いと思います。

スポーツの場合は「コンプレッション」と呼ぶことが多く、

医療(メディカル)では「圧迫」「圧力」、と呼ぶような気がします。

 

ストッキング、タイツはhPa(ヘクトパスカル)という単位を基本的に使用しており、

医療になるとmmHg(ミリハーゲー、ミリエッチジー)の単位を使うことがほとんどです。1mmHg=1.33hPa です。間違わないようにして下さい。

30mmHgを普通の着圧ソックスと思ってかうと実際は約40hPaで、この強さは、

リンパ浮腫などの治療に用いるような強さで、メディカルでは強圧と呼ばれる部類に入ります。

 

35hPaのストッキングです。旧メディックピエド商品で、楽天で格安で販売中です。

 

 

◆スポーツでは?

スポーツでは、ほとんど数値を書いている商品がありません。各社、商品の用途や特色でイメージをさせて、差別化していたり、ブランド力で商品をイメージさせている所があるように思えます。

なぜスポーツではそのような目安の数字を置かないかと、考えてみました。

ここからは、勝手な想像です。

商品を作るときは必ず試着と圧の測定も行っていると思います。

しかし、スポーツタイツなどではカットソーが多いので、各部位で違う生地を使っていたりしますが、基本的には生地の種類と見かけ寸法で管理しているため、縫製工場などでは、圧が測定できないので、最終的な製品にも圧を書いていないのではと思っています。(勝手な想像です。違っていたらすいません。)

 

逆に考えると、圧を書いている商品は、ストッキング、タイツ、(靴下も)を作っている工場、メーカーが製造している可能性が高いと言えるのかもしれません。

 

ストッキング、タイツのニット製品は、見かけ寸は参考値で、ストレッチ寸(引っ張って測定する)が基本で、圧に関しては毎回ロットを測定して数値を確認をします。

ストレッチ寸法と着圧数値の両方を管理しています。

(靴下工場は通常は見かけ寸法が中心だと思います。どうやって着圧管理しているかわかりません・・・。)

 

またストッキング、タイツ、靴下は、ほとんどが丸編みニットであり、大量生産型なので値段が少し安くなっています。(一部横編み等あります。)

 

着圧の測定器ですが、弊社はザルツマンとハトラーを使用しています。

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◆段階着圧設計って?

「段階着圧設計」と書いてある事が多いですが、ストッキングやタイツ、スポーツタイツ、医療用弾性ストッキングもすべて基本的には「段階着圧設計」となっています。

 

「段階着圧設計」が何かと言うと、足首からふくらはぎ、太ももと各部位で圧力が違っており、基本的に足首が一番強く、ふくらはぎ、太ももへ向かうに連れて圧が弱くなっている物です。

段階と言うのは、足首からふくらはぎにかけて徐々に圧を弱めています。

各社の設定で色々とあると思います。その段階のかけ方が各社の特色となっている事もあると思います。

LEGOO・レッグー RG-06・着圧ノンラン ストッキング 4つの保湿成分~スクワラン シルクアミノ酸 オリーブオイル シアバター配合~ ストッキング

弊社では、このようなストッキングを製造しております。
ストッキングでは足首は12hPa前後が普通だと思います。

 

◆着圧ソックスについて

一般医療機器 弾性ストッキング ハイソックス

自社で製造している、一般医療機器の弾性ストッキング

メディックピエド ハイソックス

こちらは35hPa。なかなか強い圧です。

この力強いパッケージは他社ではないと思います。はじめは違和感しかありませんでしたが、時間がたってくると、差別化できているように感じてきました。

 

どこで売っているの?って方が多いと思います。

レガルト楽天ショップの「レッグスタイル」で販売中です。

テレワークで動かなくなっている方いかがでしょうか?

item.rakuten.co.jp

 

 

その②に続く。(また時間ができたときに)

 

その②の予告

・着圧ソックスの作り方について

・一般医療機器弾性ストッキングについて

・着圧商品の効果について

・寝るときに履く商品について