ストッキング業界では当然の話ですが、
一般の方は考えた事も聞いた事もないかもしれません。
今回はサイズについてです。
サイズの印
ストッキングは大量生産型にできています。極力コストをかけず作っています。
編成時は白い糸で、後で染色する後染めになります。
という事は、何かマークを付けておかなければ、すべて白の生地で編成後に何の生地かわからなくなります。
そこで通常のストッキングには、ウェストの内側に色糸が入っています。
サイズ別、種類別に色が管理されており、色を見ると何の生地か、サイズが何かが分かるようになっています。縫製後、染色後もそれを見ればサイズが分かるようになっています。工場によってはいろいろな管理方法があると思います。
染色すると色が分からなくなるのではと思った人は鋭いです。
ストッキングは基本的にナイロン製で、この色糸はポリエステルで入れます。
ナイロン染料では、ポリエステルは染まらないから染色後も色が残って識別できるという事です。
こだわっている商品は、入れずにこっそり編目(組織)に印を入れてわからなくしています。主に高級品に多いと思います。
サイズの管理
ストッキングは丸編みニットと呼ばれる物で、編み物です。
編目はループになっており、それだけでも伸び縮みしますが、
それにSCYと言うポリウレタンを入れた糸を使用している事がほとんどで、
非常に伸び縮みします。
その為、編成時から製品まですべてストレッチ寸法で管理をします。
ストレッチ寸法と言うのは引っ張った長さで基準とします。
重さを〇kgで引っ張るような感じになります。
会社によって管理方法が違っており、
手で引っ張って測定する人数名の感覚を合わせる手測だけで行っている所もあります。
また限界寸法で管理をしている所もあります。限界寸法はこれ以上伸びない所まで引っ張った数値を基準とする方法です。
ちなみに、香川シームレス㈱は、
編成工程でこの装置を使用してストレッチ寸法を測っています。
弾性ストッキングや着圧ソックスの管理が厳しい商品に関しては、
置き寸、目付も合わせてチェックを行います。
靴下工場では置き寸管理をメインで行います。(あまり知らなくてすいません)
靴下は最終的に2枚が並んで販売されるので、
左右の長さが違っているとおかしく見える為、最終工程でペアリングと言う左右を合わせる工程があります。
ストッキングのサイズ
ストッキングの多くは複数サイズと言って
S~M M~L L~LL(複数サイズ)とまたがったサイズ表記をしている事が多いです。
単サイズ(単一サイズ)でS、M、L、LLとした場合、SKUが増えてしまいます。
ストッキングは伸び縮みしやすい生地なので、2サイズにまたがって履けてしまうという事だと思います。